シーズン最初のグランドスラムとなる「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月16日~1月29日/ハードコート)4日目の現地19日、男子シングルスではシード勢の敗退が相次ぎ、21年ぶりの珍しい事態が起きた。また、男子ダブルスがようやくスタートしている。大会公式ウェブサイトなどが伝えた。
前日に敗れた第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)に続き、この日は第2シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)が2回戦敗退に。「全豪オープン」で第1・第2シードがそろって3回戦までたどり着けなかったのは、レイトン・ヒューイット(オーストラリア)、グスタボ・クエルテン(ブラジル)がともに1回戦敗退を喫した2002年大会以来、21年ぶりとなる。
ルードが敗れた相手は、世界ランキング39位で22歳のジェンソン・ブルックスビー(アメリカ)。昨年の「全仏オープン」と「全米オープン」で準優勝、今大会の結果によってはカルロス・アルカラス(スペイン)から世界王者の座を奪う可能性があったルードだが、これが2度目の対戦となるブルックスビーに序盤から苦しめられる。初対戦となった昨年の「ATP1000 ローマ」ではクレーを得意とするルードがストレートで勝利していたが、今回はブルックスビーが主導権を握って2セット先取。第3セット第9ゲームでルードは相手に3つのマッチポイントを握られるも、30本続いたラリーを制するなどして土壇場で持ちこたえ、タイブレークの末にこのセットを取る。しかし第4セットでは再びブルックスビーにポイントを先行され、3-6、5-7、7-6(4)、2-6で敗れた。ルードは「トップスピンをかけられるような高いボールが好きな僕にとって、ブルックスビーはフラットな球を打ってくるし、守備もいいからやりにくかった」と語っている。
ルードのほかには、第12シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)も2回戦敗退。昨年の「全仏オープン」でナダルと対戦していた最中に大怪我を負い、半年以上にわたって離脱したズベレフは1回戦に勝った後、「この大会での結果が今後どうなろうとも、今の時点で僕にとっては成功と言えるよ」と嬉しそうに語っていたが、ラッキールーザーの世界107位マイケル・モー(アメリカ)に対して58回もアンフォーストエラーを重ねてしまい、7-6(1)、4-6、3-6、2-6の逆転負け。ズベレフは試合中には鳥の糞が頭に落ちるアクシデントにも見舞われ、鳥の糞は縁起がいいという説もあるものの、今回は当てはまらなかったようだ。
そのほかには、第8シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)、第14シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)、第23シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)、第30シードのアレハンドロ・ダビドビッチ フォキナ(スペイン)、そして今大会で1年4ヶ月ぶりに公式戦復帰を果たしていた元世界25位のジェレミー・シャルディ(フランス)が2回戦で力尽きた。
メルボルンで10回目の優勝を狙う第4シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、世界191位のエンゾ・クアコー(フランス)との試合中、メディカルタイムアウトを取る場面もあったが、4セットで勝利。この日も左の太腿にテーピングを巻き、「(身体は)理想的な状態ではない」と語るジョコビッチは、第2セットの第9ゲームで少し変なステップを見せた後、コートの外で治療を受ける。そのセットはタイブレークの末に落としたが、以後はクアコーに2ゲームしか与えず、6-1、6-7(5)、6-2、6-0で、「全豪オープン」での連勝記録を23に伸ばした。
元世界王者アンディ・マレー(イギリス)は、昨年大会ベスト4で第13シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)との1回戦に続いて、この2回戦も熱い戦いを繰り広げた。ベレッティーニとの試合はその日の最長試合(4時間49分)だったが、元世界69位のタナシ・コキナキス(オーストラリア)を迎えたこの日も唯一の5時間超え(5時間45分)というロングマッチに。双方がラブゲームでキープする展開があまりなく、ラリーが続いた上、デュースやブレークチャンスを何度も迎えるゲームも多かったため、4セットが1時間以上かかった。マレーは2セットダウンから4-6、6-7(4)、7-6(5)、6-3、7-5の大逆転勝利。マーガレット・コート・アリーナの5試合目として行われたこの一戦が終了したのは、現地20日の午前4時過ぎだった。キャリア最長の試合でマレーは37本のサービスエースを含む102本のウィナーを記録。2セットダウンからの逆転勝利はこれで現役最多の11回目となるマレーは、「サーブもフォアハンドも強烈なタナシを相手に、状況をひっくり返すことができたなんて信じられない。とにかく試合が進むにつれて、より良いプレーをしようとしたよ。これまで何度も2セットダウンから勝ったことがあるから、その経験を生かした」と振り返っている。グランドスラムの3回戦に進出するのは2017年以来、午前4時5分に試合が終わるのは1時間以上更新となるキャリア最遅など、マレーにとって記念すべき一戦となった。
そのほかのシード選手たち、第5シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)、第9シードのオルガ・ルーネ(デンマーク)、第22シードのアレックス・デミノー(オーストラリア)、第24シードのロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)、第25シードのダニエル・エバンズ(イギリス)、第27シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)は次戦へ駒を進めた。
一方、男子ダブルスはもともと大会3日目に始まるはずだったが、猛暑や雨により試合消化が進まず、4日目からのスタートに。前回王者のニック・キリオス(オーストラリア)/コキナキス組がキリオスの欠場により棄権となる中、第1シードのヴェスレイ・クールホフ(オランダ)/ニール・スクプスキー(イギリス)ペア、第2シードのラジーブ・ラム(アメリカ)/ジョー・ソールズベリー(イギリス)ペアなどシード勢の多くが順当に1回戦を突破した。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「全豪オープン」でのルード
(Photo by Andy Cheung/Getty Images)
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「全豪オープンテニス」1/16(月)~1/29(日) ※大会第1日は無料放送
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