2022年、カルロス・アルカラス(スペイン)とイガ・シフィオンテク(ポーランド)は際立ったシーズンを戦い抜き、それぞれに世界ランキング1位の座を手にした。アルカラスが「全米オープン」を含む5大会で優勝した一方、シフィオンテクは「全仏オープン」と「全米オープン」を含む8つのタイトルを手中におさめた。シフィオンテクはさらに37試合連続勝利の記録を達成したが、これは21世紀に入ってからの最長連勝記録である。
年末に行われたインタビューで、19歳のアルカラスはシフィオンテクのシーズンと連勝について熱心に語った。スポーツウェブメディアSportskeedaが報じている。
「彼女の1年が素晴らしいものだったのは知っている。たしか(今世紀の)最長連勝記録を更新したんだ。素晴らしいね」とアルカラスはシフィオンテクについて話した。
シフィオンテクは昨年3月にアシュリー・バーティ(オーストラリア)が引退を発表した後に世界ランキング1位に到達し、それ以来その座を維持している。一方のアルカラスは、「全米オープン」での優勝を経て、9月にランキング最上位に登り詰めた。
アルカラスは、シフィオンテクがしてきたように1位にとどまりたいと願っているものの、それは「不可能」だろうということを知っている。「彼女のように1位の座を失わないでいられたらいいと思うよ。でもそれはほとんど不可能だ。失うことになるだろうけれど、大事なのはそれを取り返して、1位の座にできるだけ長くとどまることだ」とアルカラスは語った。
シフィオンテクが頂点に登り詰め、他を圧倒してこられたという実績の大きな部分は、彼女が精神的な面の調整を重視してきたおかげと言える。シフィオンテクは主要大会のほとんどにスポーツ心理学者のダリア・アブラモビッチさんを帯同させている。アブラモビッチさんは、シフィオンテクの心理的な面が、身体や試合と同調するように手助けをする。
インタビューでコーチのフアン カルロス・フェレロ(スペイン)が明かしたところによると、アルカラスも、もう2年にわたってスポーツ心理学者のイザベル・バラゲールさんと組んでいる。
「彼が彼女と組んでもう2年くらいになる。毎週とかではないけれど、何かについて彼女に話す必要があると彼が感じた時は、いつもね。何か正しくないかもしれないことや、試合中にそれまでよりも問題になっていることについて、彼女に話して少し修正しようとするんだ」とフェレロは語った。
元世界ランキング1位のフェレロは、バラゲールさんとは定期的に連絡を取っていると明かした。フェレロは彼女から、アルカラスの全般的な成長について新しい情報をもらっているという。「彼女とは毎週話す。彼がどうしているか、練習がどんなふうか、彼が“全米オープン”の後に経験してきたこと、僕らがずっと話してきたこと全てについて、話してくれる。それら全てのことに対処しようとしていて、彼女はすごくよくやってくれているよ」とフェレロは話した。
世界1位になって初めて迎えるはずだったグランドスラム、「全豪オープン」は脚の怪我のため欠場となってしまったが、アルカラスの2023年の戦いに期待しよう。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「全米オープン」でのアルカラス
(Photo by Eduardo MunozAlvarez/VIEWpress)