12月29日に開幕した男女混合の国別対抗戦「ユナイテッドカップ」(オーストラリア・ブリスベン、パース、シドニー/2022年12月29日~2023年1月8日/ハードコート)も、あと2日を残すのみ。昨日1月6日に準決勝の1日目が戦われ、驚いたことに第1シードのギリシャと第2シードのポーランドがどちらも2敗を喫して、本日の準決勝2日目にはもう1戦も落とせない状況となっている。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトなどが報じている。
本大会には男女シングルスのランキングに基づき、18ヶ国が出場。まず3チームずつ6組に分かれてグループステージを戦い、その後ブリスベン、パース、シドニーの各都市に振り分けられた2組のグループトップのチーム同士が対戦。パースではギリシャが、ブリスベンではポーランドが、シドニーでは第3シードのアメリカが優勝。それら3チームと、それに次ぐ成績を収めたイタリアの合計4チームが、シドニーで行われる準決勝へ進出を決めた。各対戦ではそれぞれ男女シングルス2試合ずつと、混合ダブルス1試合が行われる。
現地6日に行われたポーランド対アメリカ戦では、まず世界女王イガ・シフィオンテク(ポーランド)が世界ランキング3位のジェシカ・ペグラ(アメリカ)と対戦。ペグラは昨年4度シフィオンテクと戦い、すべて敗れていた。だが昨日は6-2、6-2とシフィオンテクを圧倒したペグラは、試合後に会場のコンディションに言及。「私の方が少し有利だったと思う、彼女らは昨日ブリスベンからシドニーに着いたばかりだったから。ここのコートは球足がすごく速くて、これまで私が彼女と試合したところはだいたい球足の遅いところだった。私は速いコートの方が得意だし、今回はそれをちゃんと生かして、プラン通りにプレーできたわ」
続く男子シングルスでは、ポーランドの世界245位カツペル・ジュクが世界19位のフランシス・ティアフォー(アメリカ)に3-6、3-6で敗れ、ポーランドはあと1試合負ければ敗退という状況に。2チームは本日、残りの男女シングルス1試合ずつと混合ダブルスを戦うが、シングルスに出場する世界10位のフベルト・フルカチュ(ポーランド)と世界48位のマグダ・リネッテ(ポーランド)について、敗戦後涙にくれたシフィオンテクはこう語った。「二人が勝つチャンスは五分五分だと思う。ベンチでベストを尽くして応援するわ、今日コートではそれができなかったけど」
夕方のギリシャ対イタリア戦では、まず世界6位のマリア・サカーリ(ギリシャ)に世界27位のマルチナ・トレビザン(イタリア)が挑戦。二人は2020年の「全仏オープン」3回戦で一度対戦しており、当時世界159位だったトレビザンが第20シードだったサカーリをフルセットで破っていた。今回、トレビザンは鋭いフォアハンドを何本も決め、6-3、6-7(4)、7-5で、今大会最長となる3時間14分の試合に勝利。これはトレビザンにとってキャリアで3度目のトップ10選手からの勝利だったが、実はクレーコート以外ではトップ50の選手に勝ったことはなく、トップ20の選手から1セットを取ったことすらなかった。
続く男子シングルスでは、今大会でまだ負けのない20歳の世界23位ロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)が、世界630位のStefanos Sakellaridis(ギリシャ)に6-1、6-1で勝利し、ギリシャはポーランドと同様にもう1試合も落とせない状況に。ギリシャとポーランドが踏みとどまって最後の見せ場を作るのか、アメリカとイタリアが男女シングルスのいずれかで決着をつけるのか。手に汗握る準決勝2日目となりそうだ。
本日7日の対戦予定は以下の通り。
ポーランド対アメリカ(現地午前10時、日本時間午前8時開始予定)
フベルト・フルカチュ vs テイラー・フリッツ
マグダ・リネッテ vs マディソン・キーズ
シフィオンテク/フルカチュ vs ペグラ/フリッツ
ギリシャ対イタリア(現地午後5時以降、日本時間午後3時以降開始予定)
ステファノス・チチパス vs マッテオ・ベレッティーニ
デシュピーナ・パパミカイル vs ルチア・ブロンゼッティ
サカーリ/チチパス vs Camilla Rosatello/ムゼッティ
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「ユナイテッドカップ」でのシフィオンテク(左)とペグラ
(Photo by Andy Cheung/Getty Images)