20歳の元全米女王エマ・ラドゥカヌ(イギリス)は開催中の「WTA250 オークランド」(ニュージーランド・オークランド/1月2日~1月8日/ハードコート)に出場していたが、2回戦途中で足首を怪我して涙の途中棄権となった。テニス関連ニュースサイトTENNIS TONICなど複数のメディアが報じている。
2021年、18歳の時に「全米オープン」で予選から1セットも落とさずに優勝を果たして一躍脚光を浴びたラドゥカヌ。昨年7月には世界ランキング10位まで浮上したが、シーズンを通して怪我と不調に苦しみ、現在は世界78位。このオークランド大会の1回戦では期待の若手である17歳のリンダ・フルビルトバ(チェコ)に第1セットを取られたが逆転勝利して、2回戦に臨んでいた。
2回戦では世界134位の24歳ビクトリア・クズモバ(スロバキア)と対戦。第1セットでは相手を圧倒してベーグルをお見舞いするが、第2セットにはクズモバが立て直し、ラドゥカヌの6-0、5-7で最終セットを迎える。だが第2セット終盤に捻った足首の治療を受けていたラドゥカヌは、第3セット開始直後に続行は無理と判断し、涙を流しながらコートを去った。
実は今大会は悪天候に見舞われ、数日前には屋外コートで予定されていた試合が屋内コートに移動になったり、雨が止むたびにボールキッズたちが何度もコートを拭きに行ったりという状況があった。今回の怪我について、ラドゥカヌは以下のように語った。
「ここ数ヶ月、身体を鍛えるトレーニングをしてきて調子はいいと感じていた。こんなふうに足首を捻って怪我をするなんて本当にがっかり、しかも最初の週に。コートはものすごく滑りやすかった、だから正直言ってこんなことが起こったことに驚いてはいない。(試合まで)長い時間待たなければならなかったし、私にはコントロールできないことだわ。今後どうするかは怪我の診断を受けて決める」
同大会では第1シードの18歳ココ・ガウフ(アメリカ)は順調に勝ち進み、準決勝で第7シードのダンカ・コビニッチ(モンテネグロ)と対戦するが、この二人以外の6人のシード選手はすべて敗退。日本からは日比野菜緒(日本/ブラス)が出場していたが、1回戦でコビニッチに1-6、4-6で敗れた。42歳の元世界女王ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)は1回戦で世界113位の21歳ケイティ・ボリネッツ(アメリカ)に7-6(4)、6-2で、2021年「ウィンブルドン」1回戦以来となるシングルス勝利を挙げたが、2回戦で世界84位のジュ・リン(中国)に6-3、2-6、5-7で敗退した。
ダブルスでは第2シードだった穂積絵莉(日本/日本住宅ローン)/タマラ・ジダンセク(スロベニア)ペアと、日比野/オリビア・タンドラモリア(オーストラリア)ペアは初戦敗退となったが、第3シードの加藤未唯(日本/ザイマックス)/アルディラ・スチアディ(インドネシア)ペアは、ベスト4に進出している。
また同時に開催されている「WTA500 アデレード」(オーストラリア・アデレード/1月1日~1月8日/ハードコート)では、第1シードのオンス・ジャバー(チュニジア)や第2シードのアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)らが勝ち進んでいる。ダブルスでは昨年の「全豪オープン」以来、ツアー大会では約1年ぶりにペアを組んだ青山修子(日本/近藤乳業)/柴原瑛菜(日本/橋本総業ホールディングス)ペアと、二宮真琴(日本/エディオン)/クリスティーナ・ブクサ(スペイン)ペアが出場していたが、どちらも準々決勝敗退となった。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「WTA250 オークランド」でのラドゥカヌ
(Photo by Phil Walter/Getty Images)