1月9日、2022年シーズン最初の大会「ATPカップ」(オーストラリア・シドニー/1月1日~1月9日/ハードコート)の決勝が行われ、カナダが初優勝を飾った。ATP(男子プロテニス協会)公式ウェブサイトが伝えている。
今大会のフォーマットでは、出場16ヶ国が4ヶ国ずつの4グループに分かれて総当たり戦を行い、各組1位の4チームが準決勝へ進出。それぞれの対戦はシングルス2試合、ダブルス1試合の計3試合で行われ、2勝した方が勝利。先に行われるシングルス2試合で勝敗がついたとしてもダブルスは開催されるが、決勝ではシングルス終了時点で優勝国が決まれば、ダブルスは行われない。
決勝に進出したのは、2020年大会準優勝のスペインと、準決勝でディフェンディングチャンピオンのロシアを下したカナダ。チームのナンバー1、2選手がトップ20にいる強豪国同士の対戦となった。
シングルス1試合目を取ったのはカナダ。世界ランキング14位のデニス・シャポバロフが、今大会これまで4戦全勝だった世界20位のパブロ・カレーニョ ブスタを6-4、6-3で下した。シャポバロフはこれまで1勝4敗と苦手としているカレーニョ ブスタを相手に、最初のサービスゲームで5回のブレークチャンスを与えたり、ウィナーもアンフォーストエラーも多く記録するなど不安定なパフォーマンス。しかし、ドイツやロシアに競り勝ってきた勝負強さをこの日も発揮し、相手が迎えた9回のブレークチャンスのうち8回をなんとかしのぎ、自身は6回あったチャンスの半分を決めることに成功した。
「最初はちょっとナーバスだったね。カレーニョ ブスタを苦手としているから、タフな試合になるのはわかっていた。序盤はミスショットが多かったけど、最初のゲームをキープしてからはかなり落ち着くことができたよ」とシャポバロフは試合を振り返る。
2試合目でもカナダが勝利。世界11位のフェリックス・オジェ アリアシムが15本のサービスエースを決め、世界19位のロベルト・バウティスタ アグートを7-6(3)、6-3のストレートで破った。これまでの対戦成績はオジェ アリアシムの2勝1敗。初対戦である2019年の「デビスカップ」決勝ではオジェ アリアシムが敗れてスペインに優勝をさらわれたが、それから2年あまり経って迎えた4度目の対戦は逆の展開となった。
カナダが2連勝したことで、3試合目のダブルスを戦うことなく初優勝が確定。カナダは今大会、シャポバロフが新型コロナウイルス感染からの復帰直後で初戦を欠場したこともあり、4連敗という厳しいスタートを切る。しかし、徐々に調子を上げてグループステージ敗退目前の状況から盛り返し、イギリス、ドイツ、ロシアとの接戦をモノにしていった。
カナダのナンバー1選手だけでなく監督も務めていたオジェ アリアシムはこう語る。「優勝するほど気分の良いことはないね。すべてを出し切ったよ。僕たちは4連敗と苦しいスタートだったけど、自分たちを信じ続けた。それが大きかったね。デニスと僕、チーム全員がお互いをとにかく信頼しているんだ。ブレイデン・シュナーとスティーブン・ディエスも試合に出たし、ずっとサポートしてくれた。二人とも来週別の大会を控えているのに、練習や応援を毎日してくれたんだ。みんなが利他的になりお互いを信じたことがこの結果につながった。最高の気分だよ」
オジェ アリアシムはサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップで40-0として3本のチャンピオンシップポイントを掴んだものの、最初のチャンスはダブルフォールト。しかし次のポイントを決め、コートに駆け寄ったチームメイトとともに歓喜した。
それぞれの試合結果は以下の通り。
<決勝>
【スペイン0-2 カナダ】
●パブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン) 4-6 3-6 〇デニス・シャポバロフ(カナダ)
●ロベルト・バウティスタ アグート(スペイン) 6-7(3) 3-6 〇フェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「ATPカップ」優勝を決めて喜ぶカナダチーム
(Photo by Andy Cheung/Getty Images)
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