12月24日(土)、25日(日)の両日、サニーコート・アポロコーストテニスクラブ他(千葉県白子町)において、関東地区大会が開催された。
青空のもとで、接戦が繰り広げられた決勝の様子を関東高体連テニス専門部の綿貫先生と中島先生に伺った。
男子決勝 戦評
男子決勝は神奈川対決となり、神奈川県大会優勝の湘南工科大附属高等学校と準優勝の法政第二高等学校の対戦となった。
晴天ではあるが強風の中4面展開で試合は開始された。
法政二高がシングルス2とダブルス2に勝ち、2勝とすぐに優勝に大手をかけた。
そこからの残りの3試合が長かった。
どの試合もパワーの湘南工科大附高と戦略の法政二高という戦いとなり、試合の流れが決まらない白滅したシーソーゲームとなった。
特にダブルス1は両校ともダブルス巧者であり、ポーチありストレートあり、戦略の裏をかき、4人がコート内を激しく動き回る展開で、テニスの面白さを感じられる試合であった。特に両チームのロブが素晴らしかった。強風の中ボールをコントロールする技術とロブを上げるタイミングに何度も唸らされることが多かった。
3試合とも白熱した試合の中、勝負を決めたのはシングルス1だった。強力なフォアハンドで押す湘南工科大附高の坂本選手と戦略とスピードで対応する法政二高の大森選手の戦いは両者の持ち味が出た好勝負であった。戦略が光る大森選手が徹底して相手のバックにボールを集める展開でマッチポイントを掴み、最後も坂本選手のボールがネットにかかり勝負は決まった。決まった瞬間大森選手はコート上に大の字になり、ベンチの高橋監督は立ち上ってのガッツポーズで喜びを表現した。30秒ほど遅れてダブルス1も法政二高が75で勝利し4勝を挙げた。法政二高が神奈川大会の雪辱を果たし、関東選抜テニス大会初優勝を飾った。
今回の対戦では例年通り鍛えられた技術と体力を使い1球1球常に自信を持って打ち込む湘南工科大附高と戦略により展開しコート内で勝負をする法政二高の両校のテニスは見る者にテニスの面白さと高校生が目指すテニスの形を見せてくれた。特に法政二高はダブルスの法政二高と以前から評価が高かったが、今大会ではシングルスで法政二高らしいテニスで勝利する試合が多く、新しい法政二高テニスが始動し始めたと感じた。今回決勝を争った両校は全校大会でも上位に入賞する力をそれぞれ持っており、3月の全校選抜での活躍を期待したい。
(文責:関東高体連テニス専門部 綿貫氏)
女子決勝 戦評
雲ひとつない晴天の中、女子決勝が始まった。決勝戦は昨年優勝の浦和麗明と、神奈川県優勝の白鵬女子との対決である。
3面展開で対抗は進行。シングルス1、2ともに双方スローテンポでの入りとなった。シングルス1は浦和麗明 大脇結衣選手と白鵬女子 藤田真由選手のNO.1対決。大脇選手は今年度の全国高校総体シングルスで第三位、藤田選手も神奈川県新人大会優勝の実力者同士の対決になる。両者硬軟織り交ぜたプレイで序盤は一進一退の展開に。
シングルス2は浦和麗明 前田璃緒選手と白鵬女子 佐々木理子選手の対決。双方が激しく撃ち合う展開に。
ダブルスは、浦和麗明 小高・小川組が終始多彩なプレイでゲームをリード。一方の白鵬女子 阿部・渡辺組も積極的にチャレンジするも、なかなか流れを自分達に引き寄せることが出来ない状況に。
先に勝利を掴んだのはシングルス1の浦和麗明 大脇選手。正確なショットで揺さぶりをかけミスを誘い徐々にゲーム差が広がり、63で1勝。続いてダブルス1も白鵬女子がネットプレイで積極的なプレイを試みるもミスが響き、浦和麗明から62で2勝目。
ダブルス2がスタートし4面展開に。白鵬女子も2敗から必死の粘りを見せ、一進一退の展開になるも、最後は浦和麗明 中尾・瓜生組がしっかりと要所を押さえたプレイで白鵬女子 森・永田組を振り切って3勝目。
お互い譲らずの展開で長引いていたシングルス2と始まったばかりのシングルス3の試合結果を待たずに2年連続3度目の優勝を決めた。
(文責:関東高体連テニス専門部 中島氏)
(写真はスペシャルパートナー アメアスポーツジャパン株式会社ウイルソンブース)
風は冷たいながらも晴天の中、選手たちやチームのメンバー達は熱い戦いや応援を繰り広げた。
仲間の勝利に涙するチームメイトの姿にも、胸が熱くなった。
チーム一丸となって戦う団体戦ならではの光景ではないだろうか。
いよいよ全ての地区大会が終了した。
3月20日の開会式を皮切りに、21日から26日まで福岡で開催される「大正製薬 リポビタン 第45回全国選抜高校テニス大会」では各地区から勝ち上がった選手達の素晴らしい戦いが繰り広げられる。ご注目ください。
大正製薬リポビタン 第45回全国選抜高校テニス大会アドバイザー 宮崎愛伎代
※写真は関東地区大会の様子
(©全国選抜高校テニス大会実行委員会)