18歳になったばかりのココ・ガウフ(アメリカ)は、テニス界で最も有名な選手の一人となろうとしているが、それは彼女の持つ素晴らしいテクニックだけによるものではなく、社会問題について話す熱心さによるものでもある。10代のガウフは、自身が住むフロリダ州で議論を呼んでいる「ゲイと言ってはいけない」法案への落胆を表明した。テニス関連ニュースサイトTENNIS TONIC等が報じている。
この法案は共和党が支持しているもので、正式には「教育における親の権利」という名称の法案だ。これは、幼稚園から3年生までのおおよそ5歳から9歳の子どもに対して、州立の学校の教室で性的志向やジェンダー・アイデンティティに関して指導することを禁じる法案である。
この法案は、反対者からは「ゲイと言ってはいけない」法案と呼ばれている。人種やジェンダーについて学校が子どもたちに何を教えるべきかについての議論がますます党派的になる中で、この法案は全国的な論争を呼び起こしている。民主党は、こうした政策はLGBTQ+コミュニティに害をなすと発言している。
ガウフは、2020年にジョージ・フロイド氏が殺された恐ろしい事件の後にも、黒人コミュニティを守るために極めて積極的に声を上げていた。
今回の法案について、ガウフはこうコメントしている。「私は反対よ。こういう会話は重要だと思うし、LGBTQ+コミュニティに友達がいる私にとって、自分のアイデンティティについて話すことができないというのは想像できない。話すのは普通のことだと思う」
「私が知っているLGBTQ+の人はみんな、小さい時から自分がそのコミュニティの一員であることを知っていた。だから、学校でそういう会話をするのは大事なことだと思う。だって、学校はあらゆることについて安全に話すことができる場所であるべきだから」
「だからこういう会話をするのは重要だと思う。2019年か2020年にブラック・ライヴズ・マター運動について話した時にも、そういう会話をするのは大切だと言ったわ。この件についても同じ立場よ。そういう難しい会話をすることは大切だし、そのコミュニティに属する人で私が直接話した人たちを見る限り、自分が何者であるかを隠さなくていいということが間違いなく違いを生むのよ」
現在世界ランキング17位のガウフは「WTA1000 インディアンウェルズ」に第16シードで出場したが、3回戦で元世界女王シモナ・ハレプ(ルーマニア)に敗退した。
(WOWOWテニスワールド編集部)
※写真は「WTA1000インディアンウエルズ」でのガウフ
(Photo by Michael Owens/Getty Images)